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フォトギャラリーブルーホールは、田園地帯の広がる秋田県潟上市の小玉醸造株式会社の酒蔵をリノベーションし、2009年秋にオープンしました。大正時代に建てられた煉瓦造りの酒蔵の中は、秋田杉の香りがほのかに漂い、深海を彷彿とさせる静かなスペースとなっています。主に、郷土出身の写真家・中村征夫の写真展と、招待作家による展覧会を展開しています。また、様々なアーティストによる講演会やコンサートなどを開催し、アートを中心に広く文化を発信することを目的としています。
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ブルーホール 設計者のコメント
小玉祐一郎

抜けるような冬の青空が東京に広がるとき、秋田は決まって雪である。そのような季節の、まだ明けぬ寒い朝、酒の仕込みが始まる。ゆっくりと発酵の時を重ね、熟成を待つ。見上げるような大きな樽が何十も並び、清潔で、静謐な空間では、酒の息遣いが聞こえてきそうだ。その酒蔵のひとつが、90年の時間を経て中村征夫さんのギャラリーになった。高い天井と白い漆喰壁、大きな木の柱が立ち並び、骨太の梁が張る、間口10m、奥行き44mの大きな空間だ。その暗がりは海の中のようであり、そこから色鮮やかな魚たちが目の前に現れては消え、その深みには海の不思議さが潜む。そのような構想で、中村さんと議論を重ねた。時間が止まったような酒蔵は、海のドラマが繰り広げられる舞台空間としてよみがえっただろうか。床に敷きつめられた厚い杉材の香りはふっと漂って、海のさわやかさとともに、かつては杉の大樽を擁した蔵の、遠い記憶を思い起させる。
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小玉祐一郎 プロフィール
建築家・工学博士。神戸芸術工科大学教授。エステック計画研究所主宰。
「住まいの中の自然─パッシブデザインのすすめ」(丸善、2008)、「人間住宅─環境装置の未来形」(INAX出版、1999)「エコ・ハウジングの勧め」(丸善、1996)など、著書多数。「つくばの家シリーズ」、「高知・本山町の家」、「飯田川小学校」などの建築作品がある。また、建築学会作品選奨、グッドデザイン賞、JIA環境建築賞などを受賞している。
この酒蔵は、子供のころから親しんできた場所でもあった。

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左/明治末の小玉酒造全景
上/昔のブルーホール